★★★★
監督のコーエン兄弟は、ジョン・ウェイン主演の「勇気ある追跡」のリメイクではなく、原作「トゥルー・グリット」の忠実な映画化を目指したそうだ。原作を読んでないので分からないし、「勇気ある作品」も子供の頃にTV放送を観ただけで、さっぱり覚えてないので比較はできないが、実にすごい作品だった。
そもそも近年に作られた西部劇はどれも素晴らしい名作揃い。1992年の「許されざる者」しかり、2003年の「ワイルド・レンジ 最後の銃撃」しかり、2007年の「3時10分、決断のとき」しかり。いずれも骨太の作品ばかり。本作の「トゥルー・グリット」も同様。さっぱり覚えてない「勇気ある追跡」は近々DVDで見直す予定で推測になるが、ジョン・ウェインのようなスーパースター主演作品では絶対に描かれなかったであろう展開。
ジェフ・ブリッジス演じる保安官に復讐を依頼する女の子がむちゃくちゃ生意気で可愛気なくて感情移入しにくいのだが、西部劇ファンならずとも、迫力あるアクション映画(派手な爆発とかドンパチなどの見た目の迫力ではなく)を観たい人にオススメできる良い作品だ。
ちなみに覚えてもいないくせに、なんとなくこき下ろした感がある「勇気ある追跡」は、ジョン・ウェインが唯一アカデミー賞男優賞を取った作品。観る価値がある作品であることは間違いなさそうなので、DVDが楽しみである、とフォローしておこう。
(2011/3/17追記)
ジョン・ウェイン主演版のDVDを鑑賞。ストーリーは一部異なるものの概ね一緒。だが、雰囲気はまったく違う。40年前の映画だけあって、きわめてのんびり進行。BGMも妙にのんびりした陽気なものが流れてる。現代の映画に慣れてしまった私には、あまり楽しめなかった。
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