エアーズ家の没落

2010年12月15日水曜日

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エアーズ家の没落上 (創元推理文庫)
エアーズ家の没落下 (創元推理文庫)

毎回読みごたえのある作品を書いているサラ・ウォーターズの新作。本作も期待に違わず、大変読みごたえあり。

本作は自分がゴシックホラーを読んでいるのかドラマを読んでいるのか分からないという新しい試みがされている。

私はサラ・ウォーターズの作品なのだから、ホラーっぽいがドラマなのだろうと判断して読み進めたが、最終的にはどうやら違ったようだという結論になった。

違ったようだ、という中途半端な書き方をしたのも、作者は答えを書いてくれていないから。どう結論づけるかは読者に委ねられている。

ただ、エドガー・アラン・ポーの『アッシャー家の崩壊』の二番煎じのような邦題では分からないが、原題は『The Little Stranger』という。この原題からすれば、物語を一人称で語っている主人公の医者の考えは間違えているということになるのだろう。

だが、それでもLittle Strangerに該当する者は二人おり、二人とも関係あるのか、一人は無関係なのかを判断するのは読者次第。私もそれについては、判断がつかない。

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